建築士や建築施工管理技士など建設業界へ転職するのに役立つ資格を解説

土木・建設関係の資格には建築士を始め、建築施工管理技士や土木施工管理技士などさまざまな資格があります。

これらの資格について、概要や受験資格、取得の難易度などお伝えすると共に、実際に取得したらどのようなリターンがあるのか等お伝えしていきます。

Contents

建設業界へ転職するのに役立つ資格:建築士

まずは建築士の資格について見てみましょう。

どんな資格?

建築士資格は建築物の設計をするのに必要な国家資格です。一級建築士と二級建築士、木造建築士の3つの種類があり、それぞれ設計できる建築物の種類に違いがあります。

  • 一級建築士:すべての構造・規模・用途について、設計・工事監理を行うことができる
  • 二級建築士:比較的小規模な建築物についてのみ、設計・工事監理を行うことができる
  • 木造建築士:より小規模な木造建築物についてのみ、設計・工事監理を行うことができる

受験資格

建築士の資格取得には、相応の学歴要件実務経験が求められます。

まず、2級建築士と木造建築士については以下のいずれかの要件を満たさなければなりません。

  • 大学や高専で建築関係の科目を修めて卒業する
  • 高校か中学で建築関係の科目を修めて卒業した後、3年以上の実務経験を積むこと
  • 建築に関する学歴がない場合、建築に関する実務経験を7年以上積むこと

1級建築士の受験資格は以下の通りです。

  • 大学で建築関係の科目を修めて卒業した後、2年以上の実務経験を積むこと
  • 3年生短期大学で建築関係の科目を修めて卒業した後、3年以上の実務経験を積むこと
  • 2年生短期大学や高専で建築関係の科目を修めて卒業した後、4年以上の実務経験を積むこと
  • 2級建築士として4年以上の実務経験があること

難易度、合格率、資格取得にかかる費用、勉強期間、受験時期、申し込みサイト

建築士の合格率は、木造建築士が例年35~40%程度、2級建築士は20~25%、1級建築士は10~12%程度となっています。

受験料はそれぞれ2万円弱程度ですが、資格の専門学校に通う際には20~50万円程度必要です。

勉強時間については、木造建築士や2級建築士で500~1,000時間、1級建築士で1,500時間ほど必要になるでしょう。

受験時期はそれぞれ4月末頃、学科の試験が7月頃、製図試験が9~10月頃となっています。

受験申込先サイト:公益財団法人 建築技術教育普及センター

期待できるリターン

建築士の資格は、資格を持たなければ設計できないため設計の仕事をするには必須の資格となります。

その中でも、一級建築士の資格を取ればお客様からも会社からも一目置かれる存在として見られることでしょう。

なお、2級建築士で2万円/月程度1級建築士で5万円/月程度の資格手当を支給している会社もあります。

建設業界へ転職するのに役立つ資格:建築施工管理技士

次にご紹介するのは建築施工管理技士です。

どんな資格?

建築施工管理技士は、建築現場の監督や進行の管理を行うために必要な国家資格です。2級建築施工管理技士と1級建築施工管理技士があります。

1級と2級の仕事内容に違いはありませんが、扱うことのできる建築現場の規模に違いがあります。

  • 1級建築施工管理技士:管理できる工事の規模に制限なし。超高層マンションや大型ショッピングモール、公共施設などにも携われる。
  • 2級建築施工管理技士:主に中小規模の建築現場に携わる。

受験資格

建築施工管理技士も建築士と同様、学歴要件実務要件があります。

まず、2級建築施工管理技士の受験資格は以下の通りです。(指定学科については、「指定学科の調べ方と指定学科」をご覧ください)

  • 大卒者は指定学科の場合で卒業後1年以上の実務経験、指定学科以外の場合は卒業後1年6カ月以上の実務経験。
  • 短期大学、高専を卒業した人は指定学科の場合で卒業後2年以上の実務経験、指定学科以外の場合は卒業後3年以上の実務経験。
  • 高校卒業、専門学校卒の人は指定学科の場合で卒業後3年以上の実務経験、指定学科以外の場合は卒業後4年6カ月以上の実務経験。
  • その他の場合実務経験8年以上

1級建築施工管理技士の受験資格は、以下の通りです。

  • 大卒者は指定学科の場合で卒業後3年以上の実務経験、指定学科以外の場合は卒業後4年6カ月以上の実務経験。
  • 短期大学、高専を卒業した人は指定学科の場合で卒業後5年以上の実務経験、指定学科以外の場合は卒業後7年6カ月以上の実務経験。
  • 高校卒業、専門学校卒の人は指定学科の場合で卒業後10年以上の実務経験、指定学科以外の場合は卒業後11年6カ月以上の実務経験。
  • その他の場合は、実務経験15年以上。
  • 2級建築施工管理技術検定合格者は、合格後5年以上の実務経験。

難易度、合格率、資格取得にかかる費用、勉強期間、受験時期、申し込みサイト

2級建築施工管理技士、1級建築施工管理技士ともに合格率は40~50%程度となっています。双方とも100~200時間程度勉強すれば合格圏内に達することができるでしょう。

受験費用は双方とも9,400円(学科・実地それぞれ)となっており、学校を利用する場合は追加で10~20万円程度の費用がかかるでしょう。

申込については例年2月に申込が開始され、6月頃に試験が行われます。

1級については実地試験もあり、こちらは10月頃の実施となっています。

申込サイト:施工管理技術検定

期待できるリターン

資格を保有していれば、転職活動時に役立つでしょう。

また、1級施工管理技士の資格を保有していれば、2~3万円程度の資格手当を支給してくれる会社もあります。

建設業界へ転職するのに役立つ資格:土木施工管理技士

引き続き、土木施工管理技士のご紹介です。

どんな資格?

土木施工管理技士は道路や橋、トンネルなど土木工事の施工管理をする国家資格です。

1級と2級があります。

受験資格

土木施工管理技士も受験の際には学科要件や実務経験が必要です。要件は、建築施工管理技士と同様です。

難易度、合格率、資格取得にかかる費用、勉強期間、受験時期、申し込みサイト

土木施工管理技士の合格率は1級、2級ともに30~50%程度となっています。

受験費用は1級、2級とも8,200円(学科・実地それぞれ)、専門学校を利用する場合は追加で10~20万円程度かかると考えておきましょう。

勉強時間は、それぞれ200~300時間程度と考えるのが一般的です。

2級の受験時期については、学科と実地試験セットで7月頃の申込で10月の試験となっています(前期と後期で学科のみの試験もあります)。

1級は3月頃申込が開始され、7月頃学科試験を実施、10月に実地試験が行われます。

申込サイト:一般社団法人 全国建設研修センター

期待できるリターン

1級、2級問わず資格を保有していれば土木関係の就職にプラスとなるでしょう。

1級の場合で1.5万円~3万円程度2級の場合で0.5~2万円程度の資格手当を支給している会社もあります。

建設業界へ転職するのに役立つ資格:建築CAD検定試験

建築CAD検定試験について解説します。

どんな資格?

建築CAD検定試験は、建築図面をCADを使って作図することに特化した民間資格試験です。

受験資格

受験資格はありません。

難易度、合格率、資格取得にかかる費用、勉強期間、受験時期、申し込みサイト

建築CAD検定試験は全部で6等級あり、自分のレベルにあった等級を受験できます。

一番低い等級であれば90%程度の合格率ですが、一番難しい等級では10~20%程度の合格率となります。

資格取得にかかる費用は3,000円~14,000円で、いずれも例年2回(4月と10月)に試験が実施されています。

申込サイト:全国建築CAD連盟

期待できるリターン

CADを扱う仕事に就く際には、就職活動でアピールできる材料になります。ただし、応募条件で必須にしている会社は多くはないです。会社によっては資格手当をもらえるケースもあるようです。

建設業界へ転職するのに役立つ資格:測量士

次にご紹介するのは測量士です。

どんな資格?

測量士は建築や土木工事を行う土地を測量する国家資格です。測量士と測量士補があります。

  • 測量士:測量作業の主任者として、測量計画を作成する
  • 測量士補:測量士の作成した計画に基づいて測量する

受験資格

受験資格はありません。

難易度、合格率、資格取得にかかる費用、勉強期間、受験時期、申し込みサイト

測量士補の合格率は概ね30%程度、測量士の合格率は概ね10%程度となっています。

受験費用は3,000円~4,000円程度、専門学校を利用する場合はそれにプラスして5~20万円程度必要となります。

勉強時間に関しては、測量士補で100~200時間程度、測量士に関しては200~300時間程度必要です。

例年1月~2月頃の申込で、5月頃の試験実施となっています。

申込サイト:国土地理院

期待できるリターン

測量関係の仕事につくのであれば取得しておけば、転職活動・採用に大きくプラスとなるでしょう。

また、測量士補の資格で0.1万円/月~0.5万円/月程度、測量士の資格で0.5万円/月~1万円/月程度の資格手当を支給している会社もあります。

建設業界へ転職するのに役立つ資格:コンクリート技士

最後にご紹介するのは、コンクリート技士です。

どんな資格?

コンクリート技士は生コン工場や建設現場、コンクリート製品の開発製造などに活かせる民間資格です。

受験資格

コンクリート技士の受験資格は以下の通りです。

  • コンクリートの技術関係業務や実務経験が3年以上。
  • 高校や大学でコンクリート技術に関する科目を修めており、2年以上の実務経験があること。
  • 1級建築士などの資格保有者であること。

難易度、合格率、資格取得にかかる費用、勉強期間、受験時期、申し込みサイト

コンクリート技士試験の合格率は25~30%程度となっています。

受験費用は8,640円、専門学校を利用して勉強するのであれば3万円~10万円程度の費用が必要となります。

例年8月~9月頃に申込を開始、11月下旬に試験が実施されます。

申込サイト:日本コンクリート工学会

期待できるリターン

ゼネコンやコンクリート製品を持つメーカーなど、コンクリートを扱う幅広い企業への転職を希望している場合には、プラスとなるでしょう。

就職後の資格手当としては0.5~1万円程度に設定している会社が多いようです。

就きたい仕事に応じた資格取得を目指そう

建設関係の資格は、建築士資格や施工管理技士、測量士など、就職を希望する会社によって必要な資格が異なります。また、いざ就職した後は、その上位資格の取得を目指して勉強を続けるのが一般的です。

まずは、どのような仕事をしたいのかを決めてから取得する資格を選ぶとよいでしょう。

投稿者: 逆瀬川 勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。 保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士