新しいリーダーのあり方「サーバントリーダー」とは。10の特徴を紹介

日本では「リーダー」という存在に対して、グループを支配してみんなを引っ張るイメージを持っている方が少なくありません。組織を引っ張るのが苦手で「自分はリーダーに向いてない」と感じている方もいるのではないでしょうか。しかし、今世界では部下を支える「サーバントリーダー」という存在が注目を集めています。

この記事ではサーバントリーダーについて、どのような特徴をもっているのか、なぜ今の時代に求められているのか紹介していきます。

サーバントリーダーとは

サーバントとは本来、「使用人」や「召使い」という意味を持っています。それだけでリーダーと対極にあるような言葉ですが、「サーバントリーダー」とという言葉には「支援型リーダー」「奉仕型リーダー」という意味があります。従来のワンマンタイプで部下を引っ張っていく「支配型リーダー」とは違い「部下を支え、チームに奉仕する存在」と言えるでしょう。

サーバントリーダーという考え方が生まれたのは、1970年代のアメリカです。当時のアメリカはベトナム戦争やウォーターゲート事件などが起き混迷の時代でした。そのような背景の中、若者たちは当時の社会を引っ張っていたリーダーたちに不信感を抱いていたのです。教育コンサルタントのロバート・K・グリーンリーフは、権力や物欲への執着から動くのでなく、人々が望む素晴らしい目標や社会を実現するために立ち上がるリーダーの必要性を説きました。グリーンリーフは自身の研究の中で「サーバントリーダー」という言葉を使い、奉仕することこそがリーダーシップの本質だと発信したのです。

日本でもサーバントリーダーが必要な理由

アメリカで生まれたサーバントリーダーの考えは、日本にも広がり新しいリーダー像として取り入れている企業も多く存在します。日本でも企業の不祥事などが取りざたされるようになり、リーダーに倫理的な信頼感を求めていることが背景にあります。他にもITの発達や急激に広がるグローバリゼーションもサーバントリーダーの需要を高めるのに一役買っています。

ITが発達したことにおいて、ビジネスのスピードは飛躍的に上がりました。急激に変わるビジネスシーンでは、一人のリーダーが全てを管理してメンバーに指示するマネジメント方法では間に合いません。それよりもメンバーの持っている力を最大限発揮させるために、メンバーに奉仕することが求められているのです。

また、グローバルな組織をマネジメントするには、従来の方法ではうまくいきません。それぞれ違った文化やバックグランドを持っているメンバーを、一つの型にはめようとしても無理があります。メンバーを理解し、それぞれに合ったマネジメントを行うサーバントリーダーでなければ、多様性のある組織はマネジメントできないでしょう。

サーバントリーダーに求められる10の特徴

サーバントリーダーになるために、具体的な特性を理解するのが効果的です。NPO法人「日本サーバント・リーダーシップ協会」が提示する10の特性を基に、サーバントリーダーに求められる素質を見ていきましょう。

傾聴

サーバントリーダーに最も大切な特性が、人の話に耳を傾けることです。メンバーがどんなことで悩んでいるのか、何を望んでいるか把握しなければメンバーに奉仕することはできません。また、メンバーの話を傾聴するだけでなく、自分の声にも耳を傾けることが必要です。サーバントリーダーは様々なメンバーの話を聞きますが、自分の考えをしっかり持ってビジョンやミッションを示すことが求められます。

共感

サーバントリーダーは相手の立場に立って物事を考えなければいけません。どのような相手でも受け入れて気持ちを理解し、共感しようとする努力することが求められます。

癒やし

人は傷ついた状態では本来のパフォーマンスを発揮することはできません。サーバントリーダーはメンバーを癒やし、メンバーの最高のパフォーマンスを引き出すことが求められます。

気づき

物事をありのままに見て、本質を理解することで様々な気付きが得られ、周りにも気づきを与えることができます。気づきを得ることで倫理や価値観の違うメンバーを理解するのに役立ちます。

説得

サーバントリーダーは権限で服従させるのではなく、相手に納得を促しながら仕事をしてもらいます。そのために相手が求めていることを理解しながら、お互いに納得できるように説得する力が求められます。

概念化

サーバントリーダーは大きな夢や目標を掲げることで、メンバーたちが迷わず行動できるようにしなければいけません。ビジョンやコンセプトといった抽象的な概念を、周りにわかりやすく伝える能力が求めらます。

先見力

現在と過去を照らし合わせて、正体の出来事を予測します。サーバントリーダーが先見力を持つことで、メンバーに正しい判断で指示を出せるため、メンバーの行動に責任を持てます。

執事役

自分の利益よりも、相手や組織の利益を優先して考えることです。執事のように自分以外のニーズを満たすことに対して責任を引き受けられる素質が求められます。

人々の成長に関わる

メンバーそれぞれの特性を理解し、個々の成長を促します。メンバーが持つ可能性や価値を信じ、その成長を全力で支援することが求められます。

コミュニティづくり

メンバーたちが安心して働き、成長できる環境を創り出す能力です。メンバー同士が信頼しあいながら、協力して仕事ができるコミュニティを作ることが求められます。

 

 

多くの企業において「リーダー」が意味するところが変わりつつあります。「人前に出るのは苦手だけど、誰かを支援するのが好き」という方こそ、これからのリーダーに向いているかもしれません。これからリーダーを目指す方は、時代に合ったリーダー像を理解して努力してみましょう。

投稿者: kohei.suzuki

ビジネス系フリーライター。人材紹介会社での経験を活かし、経営者の取材や採用ページの作成をしています。スイーツと激辛料理には目がありません。