MaaSとは?移動の変革が私たちの生活に与える影響

電気自動車や自動運転など、新しいテクノロジーにより、車のあり方は変わりつつあります。私たちの生活を支える車が変わるということは、社会が変わり、ビジネスにも大きく影響するということ。そのような新しい移動のキーワードが「MaaS」です。

最近よく耳にするものの、なかなか理解するのが難しい言葉。しかし、これからのビジネスを理解するには欠かせない概念でもあります。今回はMaaSとはなんなのか、MaaSにより社会がどのように変わるのか紹介します。

MaaSとは

MaaSとは次世代の移動の「概念」のこと。特定のサービス形態や技術ではなく、概念であることをまずは認識しておきましょう。

どのような概念かというと、あらゆる交通手段を一つのサービスとして捉え、スマホから一括で経路検索・予約・支払いなどを行える構想のことです。現在は鉄道にバス、車、飛行機、フェリーなど様々な交通手段がありますが、これらはそれぞれ独立しており、そのために生じる不便があります。

例えば新幹線とタクシーを使う場合、タクシーを呼ぶには配車アプリを使い、新幹線の席を予約するには専用のサイトに移動しなければなりません。これに加えてバスに乗るなら到着時間を調べなければいけませんし、車を使うなら駐車場の場所も調べる必要もあります。

また、決済手段も交通手段によってスマホ決済ができる交通手段もあれば使えない手段もあり、その都度変えないといけなくなるのも不便です。これらの不便を解決するために、スマホに交通手段のあらゆる機能や情報が集約されている状態がMaaSという概念と言えます。

MaaSで社会はこう変わる

MaaSが実現すれば私たちの生活は大きく変わりますが、その中でも特にインパクトの大きな3つの変化を紹介します。地方と都市部、それぞれに起きている課題が解決されます。

地方における交通手段の維持

地方には人口が減り、高齢化が顕著に進んでいる地域も少なくありません。高齢者は運転免許を返納すると、公共交通しか移動手段がなくなりますが、人口が少ない地域では公共交通を維持するのは大変です。利用者が減ってもバスを走らせるコストは変わらないので、コスト削減のために本数が減り、結果的に住民の生活が不便になります。

そのような課題解決のために注目されているのが「オンデマンドバス」。通常のバスは一定のルートを決まった時間に走りますが、オンデマンドバスは利用者の都合に合わせて時間やルートを決めます。利用者がアプリで乗車する場所や時間、降車する目的地を予約すると、システムが乗り合いなども考慮してルートを自動生成するのです。これなら無駄にコストもかかりませんし、住民にとっても便利です。

今やオンデマンドバスの社会実験が日本各地で行われ、実際に運行を開始している地域も。これから深刻化する日本の少子高齢化を支えるサービスとして注目されています。

電車を降りた後の移動をサポート

公共交通が充実しているように見える都市部にも移動の課題はあります。線路が発達し、電車でどこにでも行けるように見えますが、駅と駅が離れている場所では20分近く歩かないといけないことも。都市部での移動に不便を感じる方はマイカーを保有していますが、車が増えることによる課題もあります。CO2の排出量が増えたり、駐車場不足による路上駐車などがそうです。

都市部での移動をより便利にするために注目を集めているのが「シェアモビリティ」。電動サイクルや電動キックボードなどを気軽にレンタル・返却できるサービスで、電車を降りた後の移動をサポートします。これまで法規制により、公道での電動キックボードが走行には制限がありましたが、今は規制緩和により一部の地域では利用されています。

海外では月額制で公共交通が乗り放題になるサービスや、月100$分の交通費の補助が出るマンションなど、経済的負担を減らすサービスも。マイカーを減らしCO2を削減することは、SDG’sとしても重要な意味があり、世界共通の課題となっています。

旅行・観光の移動も楽に

MaaSにより日々の生活が楽になるだけでなく、旅行や観光での移動も非常に楽になります。例えば地域によっては交通期間の連携が悪く、乗り継ぎで無駄な時間が生じることも少なくありません。MaaSにより交通機関の情報が一元化されれば、目的地までの移動がシームレスに行えるようになります。

また、電車とバスとフェリーの乗り換えのために、それぞれのサイトや旅行雑誌を行き来しながら時間を調整する手間も省けます。スマホで目的地を入力するだけで、どの交通機関に何時に出ればいいのか瞬時に表示されるので、旅行を楽しむことに集中できるでしょう。

 

今回紹介した課題の他にも、移動における課題は大小さまざまあります。一つの課題に対する解決方法も様々で、例えば地方の交通手段の維持に対する解決策も一つではありません。その地域の特性に合わせた解決策を講じるのが重要です。

移動が変わるということは私たちの生活にも大きな変化を与え、直接交通とは関係ない業界にも営業を与えるでしょう。MaaSが進んでいくことで自分の業界にどのような変化があるのか考えることが、自社のビジネスの成長にとって重要です。

 

 

 

投稿者: kohei.suzuki

ビジネス系フリーライター。人材紹介会社での経験を活かし、経営者の取材や採用ページの作成をしています。スイーツと激辛料理には目がありません。