未経験の業界へ転職するのは、誰もが不安だと思います。しかし、未経験であることは必ずしもデメリットではありません。未経験が強みになることもありますし、あなたのキャリアにとってのメリットにもなります。
今回は、未経験で異業種へ転職する際に採用担当者からよく聞かれる質問や、志望動機の例文をご紹介いたします。
異業種への転職を考えている方は、記事の内容を参考にして、履歴書や面接対策をしてみてください。
異業種への転職をおすすめする2つの理由
異職種への転職に比べると、異業種への転職の方がしやすい
人材業界大手dodaの調査によると、異業種・異職種への転職は以下の通りとなっています。
異業種転職の割合
- 異業種へ転職した人:59.1%
- 同業種へ転職した人:10.9%
異職種転職の割合
- 異職種へ転職した人:33.9%
- 同職種へ転職した人:66.1%
異職種へ転職した人が3割程度なのに対し、異業種に転職した人は約6割です。
このデータからわかるのは、異職種へ転職するよりも、異業種へ転職する方がハードルが低い(もしくはハードルが低いと考えている人が多い)ということです。
なお、あえて未経験者を採用することで新しい知見を取り入れようとしているケースも増えてきています。この場合には、求職者はもちろん、企業にとっても未経験者を採用することがメリットになります。
自分の市場価値を高められる
異業種=異なる業界で仕事をすることで、知識が増えたり、新しい可能性が広がります。また、複数の業界での経験は、市場価値を高めることにもなります。
一つの業界を極めるのもいいですが、変化の激しい今の時代には、それだけでは個人も会社の生き残れません。経験を掛け算することで、自分にしかない価値を生み出せます。
異業種に転職する際の面接でよく聞かれる質問と回答例
異業種からの応募者に対して、企業がよく聞く質問は主に2つあります。
1.なぜこの業界を選んだのですか?
企業が質問する理由
どのような意図で、これまでと異なる業界に挑戦しようとしているのかを聞く質問です。逆にいえば、単なる憧れで応募してきた応募者を除外するための質問でもあります。
前の業界との関係や、業界についてどれだけ理解しているのかも、この質問から読み取っています。
回答のポイント
事前に収集した業界情報をもとに、担当者が納得できるような理由を答えます。できれば異業種への転職を考えた具体的な体験を伝えると、説得力が増します。
回答例(メーカーの営業からWeb広告の営業へ転職するケース)
現職で営業をしている際に、Webマーケティングの影響力を肌で感じ取りました。営業だけではリーチできないお客様にも、Webを使えば訴求できることに魅力を感じ、転職を考えました。Webマーケティングでクライアントの課題を解決できればと思っています。
2.仕事で大きな失敗をしたことはありますか?また、どうやって乗り越えましたか?
企業が質問する理由
失敗を乗り越えた経験を聞くことで、
- 挑戦を恐れないかどうか
- 創意工夫をする力があるかどうか
の2点を主に見ています。
回答のポイント
失敗をどうやって乗り越えたのか、さらに、その失敗から何を学び、自分自身がどのように成長したのかまで伝えられればベストです。
回答例
私の不注意で大きなクレームが発生したことがあります。先輩や上司の助けも借りながら、誠実に対応したことにより、最後にはお客様から感謝の言葉までいただけました。
これまではなんでも一人で抱え込んでしまう傾向が強かったのですが、この一件で、周囲の人を頼ったり巻き込んだりすることで、より大きな力が出せることを知りました。
異業種へ転職する際の志望動機の作り方と例文
最後に、異業種に転職する際の志望動機の作り方と例文をご紹介いたします。
未経験から異業種へ転職する場合の志望動機の作り方
- 現在どんな仕事をしていて、どんなスキルがあるのか伝える
- 未経験の業界に興味を持ったきっかけを伝える
- その業界の中でも、応募する会社を選んだ理由を伝える
- 異業種で自分のスキルがどのように活かせるか伝える
未経験から異業種へ転職する場合の志望動機の例文
保険の営業から自動車メーカーの営業に転職する場合
保険の営業では、お客様の価値観に寄り添って話を聞くことを心がけています。お客様の話を聞いていく中で、自動車を運転している時が憩いの時間になっている人が多かったのが、今回転職を考えたきっかけです。
お客様の憩いの空間となる自動車を通して、お客様、さらには家族や友人の生活にも寄与できると思いました。自動車メーカーの中でも貴社に応募した理由は、高級感よりもお客様の生活に寄り添い、使いやすい車種を多く揃えていると感じたからです。
人材紹介会社の営業サポートから不動産会社の営業サポートへ転職する場合
1年前に引っ越しをしたことを機に、不動産業界に強く興味を持つようになりました。今では友達の部屋探しまで手伝うようになり、もっとたくさんの人に役に立ちたいと考えたことが、転職のきっかけです。
貴社のホームページを拝見し、地域密着で不動産仲介をしていることと、社員同士が仲の良い雰囲気であることを知り、理想の環境であると思い、応募させていただきました。