不動産売買仲介業の基本!媒介契約について解説します

不動産の売却の依頼を受けるとき、売主との間で媒介契約を締結しますが、この媒介契約には3つの形があり、それぞれ特徴が異なります。

これから売買仲介業への転職を考えている方は、基本となる知識なので、しっかり理解しておくようにしましょう。

媒介契約とは

そもそも媒介契約とはどんな契約なのでしょうか。

「媒介」と聞くと、あまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、「仲介」と置き換えると分かりやすくなるのではないでしょうか。

媒介契約を結ぶことによって、売主は不動産会社に対して不動産売却の仲介を依頼することになります。

不動産売却の流れ

簡単に不動産売却の流れを見てみると、以下のようになります。

  1. 売主から売却不動産の査定依頼を受ける
  2. 査定額の提示後、売主が納得すれば媒介契約を締結する
  3. 不動産会社が売却活動を行い、買主を見つける
  4. 買主と売主との間で不動産売買契約を締結する
  5. 代金と引き換えに売主が買主に不動産を引き渡す
  6. 売主(場合によっては買主からも)から不動産会社へ仲介手数料が支払われる

不動産売却の流れにおいて、「査定を受けただけでは媒介契約を締結できないこと」と、「媒介契約を締結しただけでは報酬を得られないこと」の2つに注意する必要があります。

査定を受けただけでは媒介契約を締結できない

不動産会社は、不動産売却を考えている方から不動産の査定依頼を受けることになりますが、査定の結果、売主が査定の結果に満足すると媒介契約を締結できます。

売主は、査定額だけでなく、査定のスピードややり取りの丁寧さも見ています。

担当者としては、まずは査定を受けてから媒介契約を締結できるかどうかが勝負となります。

媒介契約を締結しただけでは報酬を得られない

ただし、媒介契約を締結しただけでは報酬を得ることはできません。

不動産売買の仲介において、不動産会社は売主か買主から得られる仲介手数料のみが報酬となるからです。

媒介契約を結ぶことができたら、売主の望む期間内(基本的には3カ月以内)に買主を見つけることができて初めて、営業としての仕事をしたことになります。

片手仲介と両手仲介

媒介契約締結後、買主を見つけて売買契約を結ぶことができたら、売主から仲介手数料を受け取ることができます。

また、自社で買主を見つけることができたら、買主からも仲介手数料を受け取ることができます。

この、売主か買主どちらかしか仲介手数料を得られないことを片手仲介売主と買主双方から仲介手数料を得られることを両手仲介と呼びます。

仲介手数料は。法律で「不動産の売買価格×3%+6万円+消費税」までしか受け取れないことになっています。

例えば、3,000万円の物件を仲介した場合、仲介手数料は3,000万円×3%+6万円+消費税=105.6万円が上限となりますが、両手の場合はこの2倍、211.2万円が上限額となります。

売買仲介の成績は、基本的に「いくらの仲介手数料を得られたか」で決まるため、可能であれば両手仲介を目指すことが大切だといえます。

※ただし、売主はできるだけ高く売りたいと思っており、買主はできるだけ安く買いたいと思っているのが普通です。

このため、両者の仲介に入ることは利益相反の関係になってしまいます。

このことから、一部の不動産会社では会社の方針として両手仲介を禁じていることもあります。

媒介契約の3つの形

不動産売買の媒介契約には「一般媒介契約」と「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3つの契約の形があります。

媒介契約名 専任媒介契約 一般媒介契約 専属専任媒介契約
重ねて契約できるか × ×
自己発見取引 ×
売買状況の報告義務 2週間に1回以上 なし 1週間に1回以上
レインズへの登録義務 7日以内に登録 なし 5日以内に登録

上記3つを大きく分類すると、複数の不動産会社と重ねて契約できる一般媒介契約か、1社としか媒介契約を締結できない専任媒介契約、専属専任媒介契約の2つに分けることができます。

専任媒介契約か専属専任媒介契約の締結を目指そう

一般媒介契約の場合、売主が重ねて複数の不動産会社と媒介契約を結ぶことができます。

売主としては、多くの不動産会社と媒介契約を締結したほうが、多くの人に物件情報を届けられます。

一方、不動産会社としては、広告費用や人件費を投じて不動産の売却活動を行ったにも関わらず、最終的に他の不動産会社に契約を取られると、報酬を1円も得ることができません。

このため、不動産会社の担当者としては、基本的に専任媒介契約か専属専任媒介契約の締結を目指すことになります。

なお、専任媒介契約と専属専任媒介契約の違いとしては、専属専任媒介契約の方が売主への報告義務の期間が短いなど、より厳しい規定が決められています。

特に大きな違いは、専属専任媒介契約は売主の自己発見取引、つまり知人や友人など自分で買主を見つけてくることを禁じていることです。

このことから、可能であれば専属専任媒介契約を締結してもらうよう交渉を進めた方がよいといえます。

基本を理解して転職活動を行なおう

媒介契約の知識は売買仲介の基本的な知識で、転職してから仕事をしていくうちに自然と覚えていくものです。

とはいえ、中途入社の営業社員は即戦力が求められており、いざお客様を前にしたときにその知識を持っているかどうかで契約に至るかどうかが決まることもあります。

売買仲介への転職を考えているのであれば、本記事でご紹介した媒介仲介の仕組みなど基本的な内容を理解しておくと、面接や転職後の営業活動において一歩進んだ評価を得られやすくなるでしょう。

投稿者: 逆瀬川 勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。 保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士