不動産営業の「歩合制」ってどんな仕組み?「完全歩合制」や「固定給+歩合給」など解説

不動産業界の中でも、不動産営業に転職したいと考えている人の中には、その給与制度がどうなっているのか興味を持っている方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、不動産営業の給与体系について、「完全歩合制」「固定給+歩合給」「完全固定給」の3つに分けて解説していきます。

不動産営業における歩合制とは

そもそも、不動産営業における歩合制とは、どのような制度なのでしょうか?

歩合とは「売上高に応じた報酬」などの意味で、つまり、不動産営業においては主に不動産の取引を成立させた仲介手数料などの報酬のうち、一部を給料として受け取る制度のことです。

歩合制を採用している不動産会社に就職すると、高い業績を挙げればそれだけ受け取れる給料が高くなりますが、一方で成績が悪ければ歩合はそれだけ減ってしまうことになります。

歩合とインセンティブの違い

不動産営業の求人情報を見ていると、歩合の代わりに「インセンティブ」といった言葉が使われていることがあります。

インセンティブとは「動機づけ」といった意味で使われる言葉で、つまり、不動産営業においては「売上を上げるための動機づけとして、売上に応じて報酬を支払う」といった意味合いだと考えるとよいでしょう。

言葉は違いますが、歩合とインセンティブは基本的に同じものを指していると考えて問題ありません。

不動産営業における主な3つの給与体系

不動産営業では、歩合制が採用されていることが多いですが、そうでない会社もありますし、歩合制を採用している場合でも、どのくらい売上が給料に反映されるかは会社によって異なります。

こうした、給与体系について分類すると、大きく以下3つに分けることができます。

  • 完全固定給
  • 固定給+歩合給
  • 完全歩合制(フルコミッション)

以下で、それぞれの仕組みや特徴を解説していきたいと思います。

完全固定給の特徴とメリット・デメリット

完全固定給とは、歩合制が一切なく、固定給のみの給与体系のことを指します。

どれだけ営業成績を挙げても、1年間など提示された期間については同じ給料を受け取ることになるでしょう。

ただし、業績を評価されれば、翌年度の固定給をアップして貰うことはできます。

一般的に、不動産営業の多くは歩合制を採用しているため、完全固定給の会社は少ないですが、探せばあります。

また、歩合制を採用している会社が、営業社員を採用してから半年~1年間は完全固定給にするといった措置を取るケースも。

完全固定給のメリット

完全固定給のメリットは、例え成績が悪くても、給料の額は変わらないため、生活が安定しやすいということが挙げられるでしょう。

腰を据えてじっくり仕事に取り組みたいという方におすすめだといえます。

完全固定給のデメリット

一方、完全固定給のデメリットとして、いくら成績を挙げても、すぐには給料に反映されないということが挙げられます。

制度としては、成果の挙がらない社員を、高い成果を挙げる社員が支えている形になるため、特に高い成果を挙げている社員ほど不満を感じやすいでしょう。

固定給+歩合給の特徴とメリット・デメリット

固定給+歩合給とは、一定の固定給を保証しつつ、成果を挙げれば、成果に応じて一定額が歩合給として支払われる給与体系のことです。

毎月の給料は固定給で、半年に1回の賞与が歩合給となっているケースや、毎月の給料が固定給+歩合給の形となっているケースなどがあります。

固定給+歩合給のメリット

固定給+歩合給のメリットは、ある程度の固定給を受け取れるため、生活を安定させつつ、成果を挙げれば、成果に応じた報酬を得られるということです。

安定した生活を送りたいけど、頑張った分は報酬に反映してほしいという方におすすめだといえます。

固定給+歩合給のデメリット

固定給+歩合給のデメリットは、完全歩合制と比べると、売上に対して得られる報酬が少なくなってしまうこと。

また、固定給+歩合給の会社でも、固定給が少なめに設定されているところから多めに設定されているところまでさまざまで、特に前者の場合は、固定給だけでは安定した生活を送れないケースがある点には注意が必要です。

完全歩合制(フルコミッション)の特徴とメリット・デメリット

完全歩合制(フルコミッション)とは、固定給なしで、給料のすべてが売上に応じて決まる給与体系のことです。

歩合率(売上のうち、報酬として受け取られる額の割合)が40~50%など高く設定されているのが一般的で、高い成果を挙げれば収入は青天井となりますが、一方で成果を挙げられなければ給料がゼロという可能性もあります。

完全歩合制(フルコミッション)のメリット

完全歩合制(フルコミッション)のメリットは前述の通り、売上次第で収入が青天井になることです。

また、不動産会社側も、固定給を支払う必要がないことから、比較的自由に営業活動させてくれるケースが多く、一方で独立するのと比べると、所属する不動産会社のツールやスペースを使えるといった点もメリットとなるでしょう。

完全歩合制(フルコミッション)のデメリット

完全歩合制(フルコミッション)のデメリットは成果が挙がらないと収入がゼロになる可能性があること。

特に不動産は高額な商品となるため、購入の意思決定に時間がかかることが多く、数カ月売上が上がらないといったことも珍しいことではありません。

自分の営業力に自信がなければ、おすすめできないといえるでしょう。

稼ぎたい収入の額や取れるリスクに応じて給与体系を選ぼう

不動産営業における代表的な3つの給与体系についてお伝えしました。

いずれもメリット・デメリットがあるため、ご自分が稼ぎたい収入の額や、取れるリスクに応じて選ぶことが大切です。

なお、以下記事では不動産営業の仲介手数料と、給料に反映される割合について解説しているので、参考になさってください。

不動産営業の「歩合制」ってどんな仕組み?「完全歩合制」や「固定給+歩合給」など解説

投稿者: 逆瀬川 勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。 保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士