天ぷら契約について語源や天ぷら契約が起こる理由を解説します

不動産業界には天ぷら契約という業界用語があります。

天ぷら契約は簡単にいうと架空契約のことで、ほとんどの場合関わることはありませんが、場合によっては天ぷら契約をしなければならない状況に追い込まれることもあるかもしれません。

本記事では、不動産業界への転職を考えている方に向けて、天ぷら契約の内容や語源、天ぷら契約が起こる理由等お伝えしていきます。

天ぷら契約とは

天ぷら契約とは、たくさんある不動産業界用語の一つで、架空の契約や無効を前提とした契約のことを指します。

天ぷら契約の語源

天ぷらは衣がついており、中身が見えないことから、契約=天ぷらのころも、無効を前提としている=中身とするのが語源とされています。

売主と買主の間に複数の業者が入ることを「あんこ」、頭金を水増ししてローンを組むことを「かきあげ」と言うなど、不動産業界用語には食べ物にたとえるものがしばしば見られます。

また、語源には諸説あり、契約をでっち挙げることから揚げ物=天ぷらとしたというものもあります。

なお、天ぷら契約は不動産業界だけでなく保険営業など他の業界でも見られるようです。

天ぷら契約が起こる理由

架空の契約をしても最終的には何の意味もないように思えますが、こうした天ぷら契約はなぜ行われるのでしょうか?

ノルマの厳しい不動産営業

不動産営業では契約が全てといっても過言ではありません。

会社によっては「3カ月間契約がなかったらクビ、もしくは異動」としているような会社もあります。

例えば、こうした会社で3カ月契約のない社員がクビや異動を回避することを目的に天ぷら契約をすることがあります。

実際に数カ月後に解約となることもある

また、不動産の売買契約は実際に、契約してから数カ月後に解約となることも少なくありません。

不動産の売買契約は大きなお金の動くもので、慎重に考える買主をあの手この手で買う気にさせていくのが不動産営業です。

不動産営業では「会ったその日に売買契約書にサインさせる」といったことを目標とすることもありますが、これは、一度家に帰ったら冷静になってしまうからです。

見方によっては強引な営業のようにも見えますが、そうでもしないといつまでも決断できない方もいます。

売買契約時に、買主から売主へ手付金が支払われ、一度契約してしまうと買主は手付金を放棄しなければキャンセルできないため、決断したことをやめる抑止力となります。

一方で、これは手付金を放棄さえすれば解約できるということでもあります。

売買契約後、買主は家族や友人、知人と話をしますが、そうした中で「やはり考え直したい」と思い至ることも珍しいことではありません。

本題とはずれますが、不動産営業では、こうした場合にご両親の元に行って一緒に説得するなど、売買契約後のフォローも重要な仕事となります。

天ぷら契約における手付金はどうなる?

天ぷら契約は架空契約とはいえ、当たり前ですが会社には正規の売買契約として報告することになります。

不動産の売買契約では、契約時に手付金を支払い、解約となれば返却しないのが原則です。

売買仲介であれば問題ありませんが、会社所有の物件を売買するような場合、天ぷら契約において手付金はどのように取扱われるのでしょうか?

お金の取扱いは会社毎にルールが異なるため一概には言えませんが、以下のような方法が考えられます。

  • 手付金なしで契約する
  • 住宅ローン特約などを使って白紙解約する
  • 営業社員が手付金を負担する

不動産の売買契約では手付金を支払いますが、買主が納得しさえすれば手付金0円で契約することもできます。

ただし、売主によっては「解約時には違約金を支払う」などと特約を設けることもあります。

また、売買契約後であっても、住宅ローン特約など売主から買主に手付金を返金する特約を設けることもあります。

こうした特約を利用すれば、売買契約時に営業社員が手付金を一時的に支払い、報告と同時に回収するといったことが可能になります。

さらに、場合によっては手付金を営業社員が支払い、解約時に会社に没収されるといったケースも考えられるでしょう。

そこまですれば、会社は天ぷら契約をほとんど疑わないのではないでしょうか。

天ぷら契約は会社の方針の問題でもある

天ぷら契約は契約至上主義を取る会社の問題でもあるといえるでしょう。

もちろん、不動産営業は契約を取らなければなりませんが、単に3カ月契約を取れていないと言ったことを理由に人事を決めるのは問題だといえます。

その営業社員にどんな点が足りていないから契約が取れないのか、上司はしっかりとフォローしたのかといったことを含めて判断すべきだといえます。

一方で、契約至上主義は緊張感を持って仕事ができるなどのメリットもあります。

中には、そうした緊張感のある会社で働きたいと感じている方もいらっしゃるでしょう。

不動産業界への転職を考えている方は、転職先の会社がどのような方針でノルマを設けているのか、面接時の質問やインターネットの口コミなどでよく確認することが大切です。

天ぷら契約は無意味な契約

天ぷら契約について解説しました。

当然ではありますが、天ぷら契約は無意味な契約です。

天ぷら契約をしなければならないほど、会社の方針等、自分に合っていない会社に転職するのを防ぐためにも、口コミサイト等で事前にしっかり情報収集しておくことが大切だといえるでしょう。

投稿者: 逆瀬川 勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。 保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士