青田売りには規制がある!不動産業界の基礎知識を知っておこう

青田売りとは工事完了前の土地や建物を売却することで、不動産会社では当たり前に行われているものです。

青田売りは不動産会社側にメリットが多く、一方でトラブルに発展する可能性があるため、未然にトラブルを避けるためにいくつかの規制が用意されています。

こうした基礎知識は現場で細かく説明されないこともあるため、不動産業界への転職を考えている方はあらかじめ勉強しておくようにしましょう。

青田売りとは

青田売りとは新築一戸建てやマンション、宅地等を売却するにあたり、建物の建築や宅地の造成工事が完了する前に売買契約を締結することを指します。

不動産会社からすると、建物の新築工事や宅地の造成工事が完了する前から契約できるため、安心して工事を進められるといったメリットがあります。

一方、完成前の不動産を売買することにより発生するトラブルを避けるため、宅地建物取引業法でいくつかの規制がなされています。

青田売りのメリット・デメリット

ここでは、不動産会社が青田売りするメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

青田売りのメリット

青田売りのメリットとしては以下のようなものがあります。

  • 工事完了と同時に資金回収できる
  • 物件が売れ残る不安を払拭できる
  • 契約や引渡しなどの手続きを一挙に済ませることができる

それぞれについて見ていきましょう。

工事完了と同時に資金回収できる

工事段階から売買契約を結んでおくことで、売買契約時に手付金を受け取ることができる他、工事完了と同時に資金を回収できます。

これにより、建物完成後に販売活動を行うのと比べると事業資金の借入利息を減らすことができるといったメリットもあります。

物件が売れ残る不安を払拭できる<

建物完成前に物件の売買が決まっていることで物件が売れ残る不安を払拭できます。

また、建物完成後に売却活動を行い、数カ月以上買主が見つからない状態が続くと、値下げを考える必要が出てきます。

着工中に売却できれば、こうした値下げを考える必要もなくなります。

契約や引渡しなどの手続きを一挙に済ませることができる

分譲マンションや宅地造成の場合、1件1件契約や引渡しを行っていくと大きな手間となります。

一方、建物着工段階から売買契約を済ませておけば、建物完成と同時に引き渡し等の手続きを一挙に済ませることができます。

特に分譲マンションの場合、管理会社についての説明などを一度で済ませられるのは大きなメリットだといえます。

青田売りのデメリット

一方、デメリットとしては以下のようなことが挙げられます。

  • 契約から引渡しまでの間に契約解除されるリスクがある
  • 建物完成前にモデルルームを設置する必要があるなど別途コストがかかる

それぞれ見てみましょう。

契約から引渡しまでの間に契約解除されるリスクがある

不動産売買は、契約後も買主側からの手付解除などで契約解除されるリスクがあります。

残金の決済を受けて引渡しを済ませてしまえばそうしたリスクもなくなりますが、青田売りの場合、建物が完成するまで決済することができません。

建物完成前にモデルルームを設置する必要があるなど別途コストがかかる

分譲マンションの青田売りの場合、建物着工中からマンションを売ろうとすれば、分譲マンションの外に特設のモデルルームを設置するようなこともあります。

この場合、モデルルームを用意するコストが別途かかってしまいます。

青田売りの規制

青田売りは建物の工事や土地の造成が予定していた時期に完成しないといった可能性があることもあり、宅地建物取引業法で以下のような規制が設けられています。

  • 広告開始時期の規制
  • 手付金等の保全義務

それぞれ解説します。

広告開始時期の規制

宅地建物取引業法では、開発許可か建築確認を受ける前の広告を禁止しています。

分譲マンションなど建物を建築する場合、建築プランを決定し、そのプランに基づいて作成した設計図書を行政に提出し、建築確認申請を行います。

また、土地の造成をする場合にも同様に、どのように造成を行うかについて開発許可を取る必要があります。

チラシ等に売却物件として不動産を掲載する場合、これら開発許可番号や建築確認番号を掲載する必要があるのです。

なお、建築確認や開発許可を得てから、いつ工事を着工しなければならないといった決まりはありません。

つまり、建築確認や開発許可を得ているのであれば、青田売りの状態であっても広告に掲載することに法律上は特に問題はありません。

手付金等の保全義務

不動産の売買契約では、契約時に手付金を受け取るのが一般的です。

また、受け取った手付金が一定額以上の場合、不動産会社は銀行等による保証を受けるなど「手付金等の保全」を行う必要があります。

この一定額について、売買契約時に土地又は建物の工事が完了している場合と未完成の場合とで額が以下のように異なります。

  • 未完成の場合(青田売りの場合):手付金の額が売買価格の5%超もしくは1,000万円超
  • 工事完了している場合:手付金の額が売買価格の10%超もしくは1,000万円超

青田売りの規制について知っておこう

青田売りは不動産会社側にメリットが大きく、当たり前に行われていることですが、トラブルに発展することを避けるため宅地建物取引業法でいくつかの規制が用意されています。

規制を知らずに売却活動を行ってしまうと厳しい処罰を受けることになります。

不動産会社への転職を考えている方は本記事の内容を知っておくようにしましょう。

投稿者: 逆瀬川 勇造

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事しました。2018年よりP.D.Pを設立。WEBを通して不動産に関する問題解決を目指します。 保有資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)、住宅ローンアドバイザー、相続管理士