売買の不動産営業において、不動産を購入してもらうにはまずは資金の用意ができなければ始まりません。
このため、営業には住宅ローンなどローンに関する知識が求められます。
本記事では、不動産営業への転職を考えている方に向けて、住宅ローンに関する基礎知識をお伝えしていきたいと思います。
目次
資金の確保が不動産営業の最初の仕事?
ややおおげさな表現にはなりますが、不動産営業において、お客様の資金を確保するのは最初の仕事だといえるでしょう。
そもそもお金を払うことができなければ不動産を購入することはできず、営業のゴールであり契約に向かうことができないからです。
営業もローンの知識を身に着けておこう
不動産のことは不動産会社に、ローンのことは金融機関に、と考えるお客様もいます。
しかし、数少ないお客様との面談のチャンスを最大限活用するためには、営業もローンの知識を身に着けておくべきだといえます。
お客様としても、金融機関に相談すれば、その金融機関の商品を中心に紹介されることになりますが、不動産会社の営業にローンの知識があれば、複数の金融機関からよりよいローンを選ぶことが可能になります。
体系的な知識を身に着けるために、FPの資格取得を検討するのもよいでしょう。
住宅ローンの基礎知識
ここで不動産営業が最低限身に着けておくべき住宅ローンの基礎知識についてお伝えしていきたいと思います。
具体的には以下のようなものです。
- 住宅ローンの3つの金利
- 金融機関の4タイプ
- ローン審査の3つのポイント
- 住宅ローン審査の流れ
住宅ローンの3つの金利
まず、住宅ローンには3つの金利タイプがあります。
- 変動金利
- 全期間固定金利
- 固定期間選択型金利
それぞれ特徴を箇条書きにすると以下のようになります。
変動金利
- 変動リスクがあるが最も金利が低い
- 金利下降局面に強い
- 半年に1回金利変動があるが返済額の変更は5年に1回のみ
全期間固定金利
- 変動リスクがない分金利が高い
- 金利上昇局面に強い
- 借入時に最後の返済日
固定期間選択型金利
- 変動金利と全期間固定金利のミックスで金利も中間程度
- 当初2年、5年、10年など固定期間を選択できる
- 当初期間選択後に繰り上げ返済するのがおすすめ
金融機関の4タイプ
また、金融機関のタイプを分けると大きく以下のように分類できます。
- 住宅金融支援機構(フラット35)
- 都市銀行
- 地方銀行/信用金庫/JAなど
- ネットバンク
住宅金融支援機構
- 全期間固定金利のフラット35を利用できる
- 保証料不要だが事務手数料が高い
- 審査金利が低いため年収が低くても借入可能額が高くなりやすい
都市銀行
- 金利が比較的低い
- 全国に窓口があるため他県からの方など利用しやすい
- 審査が厳しい
- オンラインバンクなどツールやシステムが充実している
地方銀行/信用金庫/JAなど
- 金利が比較的高い
- 特定の金利タイプのみ安いといった金融機関もある
- 柔軟に審査に対応してくれることがある
ネットバンク
- 金利がかなり低い
- 事務手数料など初期費用が高くなりやすい
- 窓口がないため自分で行動しないといけないことも多い
ローン審査の3つのポイント
ローン審査ではさまざまな項目が審査対象になりますが、住宅ローンにおいては、特に以下3つが見られると考えるとよいでしょう。
- 年収
- 属性
- 個人信用情報
年収
年収については、基本的には高ければ高いほど審査に通りやすくなります。また、年収によって借入可能額が決まります。
なお、夫婦で住宅ローンを組む場合は収入合算できるほか、親子ローンといった方法もあります。
属性
公務員や上場企業の社員など、安定している企業ほど高い評価を受けやすいです。一方、中小企業の社員や自営業の方は経営状況など厳しく見られることが多いです。
個人信用情報
過去に借り入れたローンの返済状況などを示すもので、例えばローンの返済を延滞していたり、過去に自己破産している方などは個人信用情報にキズがあると表現されますが、この場合ローン審査で承認を得ることはかなり難しくなります。
住宅ローン審査の流れ
お客様が住宅を購入しようとする場合、住宅ローン審査の流れは以下のようになります。
- 住宅ローン事前審査
- 物件探し~内覧~売買契約
- 住宅ローン本審査
- 決済~引き渡し
上記通り、住宅ローンの本審査は売買契約の後に行います。このため、売買契約前に事前審査を受けるのが一般的です。
お客様はローンを借りられるか不安に思っていることも多いため、まずは事前審査を受けることを促して、承認を得ることで住宅購入への思いを高めるといったテクニックを活用することも重要なことです。
なお、売買契約時に買主から売主に手付金が支払われますが、万が一本審査で否決になったときに備え、ローン特約を付けるのが一般的です。
ローンに強い営業になって高い営業成績を挙げよう
不動産営業に必要なローンの知識についてお伝えしました。
不動産を購入するには資金を確保する必要があり、そのためには不動産営業もローンの知識を身に着けておくことが重要です。
これから不動産営業への転職を考えている方は、本記事の内容を参考に、まずはローンの基礎知識を固めておくことをおすすめします。