OJTとは?企業が導入するメリットと気をつけるべき課題を紹介

人材が豊富にいる大企業と違い、中小企業の多くは新入社員にわざわざ研修を行う余裕がありません。そんな中小企業が教育の一環として採用しているのが「OJT」です。これから転職する方の中には、転職先で初めてOJTを経験する方もいるかもしれません。その意味や意義について理解しておきましょう。

この記事では、OJTの意味やメリット、気をつけるべき点について紹介していきます。転職を検討している方は参考にしてください。

OJTとは

OJTとは、実際に働く現場で業務を通して行う教育のことで、「On-The-Job Training」の略です。通常の業務を行いながら、上司が部下や後輩に実践的な知識やノウハウを伝えていきます。もともとは第一次大戦中にアメリカで原型が生まれ、高度経済成長期に日本に渡り日本人に合った方法に進化してきました。今では日本の多くの企業で行われている教育方法です。

OJTとOFFJT

OJTとよく比較されるOFFJT(Off-The-Job Training)との違いについても見ていきましょう。OFFJTとは、現場を離れ座学研修や集合研修の形で行うのが一般的です。OJTが実践的な内容を教えるのに対し、OFFJTではビジネスの基礎や専門知識、業務内容を深堀りするための内容が選ばれます。具体的にはビジネスマナー研修やロジカルシンキング研修、マネジメントスキル研修などが当てはまります。

OJTとOFFJTには、それぞれメリットと課題があるため、目的や社員の状況に応じて使い分けることが重要です。OFFJTで基礎を学んだ上でOJTを行い、必要が生じた際に都度OFFJTを行うのが一般的です。

OJTのメリット

なぜ多くの企業がOJTを導入するのか、そのメリットについても見ていきましょう。

コストを削減できる

業務とは別に研修を開催するのは多くのコストがかかります。講師を呼んで研修を外注するのは金銭的なコストが発生しますし、先輩が講師として研修を行うのは人的コストが発生します。また、数ヶ月に及ぶ研修の場合、その間社員は利益を出すことはありませんが、給料は発生します。

業務時間外に研修を行った場合には、残業代や手当が発生するなど、研修を行うには様々なコストが発生するのです。OJTではそれらのコストを削減する効果が期待できます。

個人に合わせて教育できる

OFFJTでは一般的に1対多の教育になるため、一人ひとりのペースに合わせることはできません。OJTでは1対1で教育する機会が増えるため、一人ひとりの理解度や特性に合わせて教育の内容やスピードを調整できます。最初は分からないことだらけの新入社員でも、不安や疑問を解消しながら安心して業務を覚えていけるでしょう。

即戦力人材を育てやすい

OFFJTの研修が終わったとしても、すぐに現場で活躍できる人材には育ちません。一方でOJTでは実務を通して教育できるため、教育内容と実際の仕事がほとんど一致します。そのため、短期間で成果を挙げられる戦力を育てることができます。

教える側のスキルアップにも繋がる

OJTで成長できるのは新入社員だけではありません。新入社員を教育する上司や先輩の成長にも繋がるのです。部下への教育や指示の仕方は、マネジメントを覚えるために重要な要素となります。将来的にマネージャーを目指している方は、OJTを通してマネジメントの基礎を学べるでしょう。

職場の人間関係を活性化させる

OJTでは新入社員と先輩が1対1で話す機会が多く見られます。部下が上司に質問したり、上司が部下に分からないことがないか確認することで、上司と部下に信頼関係が生まれやすくなります。業務をスムーズに進めるには、社員同士の信頼関係やコミュニケーションが必須になり、OJTは教育だけでなくチームの結束を強める効果も期待できるのです。

OJTの気をつけるべき点

様々なメリットがあるOJTですが、気をつけなければならないデメリットもあるので見ていきましょう。

放置される場合もある

多くの企業は、先輩も通常業務を行いながら教育するのが一般的です。先輩が忙しくなれば、教育に手が回らなくなるため、新入社員が放置されるケースも珍しくありません。本来であればしっかり計画を立てて教育するのが望ましいですが、そこまで準備できない企業も多いので気をつけましょう。

先輩によって教育の質に差がある

OJTは1対1で教わるため、先輩の習熟度によって教育の質も違います。また、教育内容が統一されていない場合には、先輩によって教える内容が違うケースも。本来であれば教育をする先輩たちも研修を受けることが望ましいのですが、いきなり教育を任されて戸惑っている先輩では、教え方が下手な可能性も高いです。教わる側としてはいい先輩に襲われるかどうかは運次第になります。

視野が狭くなる恐れがある

OJTでは実務を通して教育を行うため、目の前の業務をこなせるようになっても、中長期的な視野を持って仕事を進める能力が身につかない場合があります。OFFJTで業務の全体を把握してから、OJTを行うのが望ましいですが、いきなりOJTをすることで視野が狭まるリスクがあることを覚えておきましょう。

 

 

 

今や多くの企業が導入しているOJTですが、正しく理解せずに導入している企業も多いため、デメリットが目立つケースも珍しくありません。転職先の企業がOJTを導入している場合は、正しく運用されているかチェックして、必要に応じて改善を要請するのもいいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: kohei.suzuki

ビジネス系フリーライター。人材紹介会社での経験を活かし、経営者の取材や採用ページの作成をしています。スイーツと激辛料理には目がありません。